ホーム 過去のマガジン記事 男のローカルひとり飯: 第6回 名店はフリースタイル

カンボジアクロマーマガジン45号

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 The Litzというとんでもない名前のホテルの隣の当店は何から何までフリースタイル。入店すると魚、肉、そして様々な野菜などが並んでいるところでいきなり何食べる?と聞かれる。そこで食材や調理方法そして味付けなどを指定するというなかなか自由度の高い仕組みとなっている。当然値段の記載もない。注文の手控えすらなく、スタッフの記憶のみが頼り。なのに店内には40人以上の顧客。只事ではない。

 フリースタイルながらこちらは料理人のセンスが光る店。野菜炒めにはオクラ、ブロッコリー、フクロタケ、トマトそしてこちらの指定した豚肉が入っている。ブロッコリーの茎はしっかりと歯ごたえを残し、オクラは噛む歯ごたえを残しつつも少々粘りが出る程度。味わいはオイスターソースを使用して旨味がしっかり入りつつあっさりとした仕上がりに。タレの旨味と時々当たるトマトが非常にバランス良し。パイナップルのスープも、珍しくニンニクは強めに効かせつつ、甘みはかなり抑え酸味が前に出たスタイル。甘くそしてその結果重ーく感じられる一般的なスタイルとは趣が違うこちらの一品も中々のもの。ご飯はなんとお櫃代わりの鍋に入っていて食べ放題状態。お会計の際には接客のにいちゃんが勝手に席に座り、日本語でありがとうありがとう、美味しい?美味しい?などと繰り返す人懐っこさ。当店、ローカル食堂でははっきり言ってい完全に頭一つ抜けた名店と言えるだろう。

 

Dara Reaksmey
住:No.65DEo, St. 105,, Phnom Penh
時:7:00~11:00 / 11:00-14:00


井之原 四郎

孤高のフーディーを自称するフードライター。食べ物である限り食べられない物はないというのが信条。ベトナムスケッチ連載の「男のローカルひとり飯」(2011年11月〜2014年6月)等、執筆多数。

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