ホーム 過去のマガジン記事 男のローカルひとり飯: 第1回 ある日の鴨飯

カンボジアクロマーマガジン40号

 

 プノンペンにて復活した男のひとり飯シリーズ、当地では5US$を上限とした名店のご紹介。第一弾は、リバーサイドを少しだけ奥に入った一画にあるたまらなく美味いDuck Rice(鴨飯)屋。まあ、duckは鴨ではなくアヒルのことと思われるが、ここで鴨・アヒル論争をむささび・もま事件やたぬき・むじな事件の如く行うのも不毛なためこれ以上は割愛。そして当店の鴨飯、2.5US$とローカル飯にしては高めだが店内を見回せばローカルからの人気も上々の様子。座ってしばし待つと見事な照りの鴨肉が登場。まず、ライスと鴨肉を同時に頂くと鴨の皮の香ばしさ、しっとりジューシーな肉の食感、ほんのりとした旨味の炊き込みご飯が優しく口の中をめぐる。

 

 次のステップは、ややオイスターソースの甘みの効いたタレと付け合わせのカンボジアスタイルの漬物と一緒に鴨とライスを頂くと、鴨の旨味、タレのスパイシーな甘さと漬物の酸味のハーモニーがたまらない。

 

 更に卓上にあるシャープな味わいの唐辛子ペーストを少しだけ混ぜてこれらを頂くと、旨味、甘味、酸味、辛味がかわるがわる顔を出し、もうそれは永久に回転し続ける口内万華鏡状態。

 

 供されるスープは謎の香辛料がかなり効いており、かなり好みが分かれるところだが、持ち帰りの場合、通としては鴨スープの自作をお勧めする。1US$で売っている鴨の骨をぶつ切りにしてもらい、家で30分程煮出すだけで香ばしく、旨味の効いたスープの完成だ。

 

 本格中華に全く引けを取らない名店の鴨飯と自作スープをお試しあれ。

 

ハンヘン・ダックライス HangHeng Duck Rice
住: No.76E0, St.144, Phnom Penh
Tel: 015-767168
<本日のひとり飯> ダックライス 2.5US$

井之原 四郎

孤高のフーディーを自称するフードライター。食べ物である限り食べられない物はないというのが信条。ベトナムスケッチ連載の「男のローカルひとり飯」(2011年11月〜2014年6月)等、執筆多数。

バックナンバー

facebookいいね!ファンリスト

クロマーマガジン

素敵なカンボジアに出会う小旅行へ―The trip to encounters unknown cambodia