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カンボジアクロマーマガジン38号

プノンペン& シェムリアップの在住日本人に聞きました。こんなハズでは… カンボジア

[取材・文] 矢羽野 晶子 [イラスト] 多賀 史文 [制作] 田中 友貴

 春。節目となるこの季節は、カンボジアに移住してくる日本人も多い時だ。夢と期待とちょっぴりの不安を抱いて始める海の向こうでの新生活。準備は万端のハズだけど「アレ?聞いていたことと違うぞ」なんてのも人生の常。
 そこで今回は先輩在住日本人に住む前と後で思い描いていたことと違ったこと、驚いたことを中心に「こんなハズでは…」なカンボジア生活を聞いてみました。

 

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・交通マナーが悪い
あってないような交通ルール。信号無視、逆走、強引な右折左折(20代・女・営業)絶対に道を譲らない。パッシングは「自分が先に行くからな」という合図と知り度肝を抜かれた(30代・女・会社員)大型高級車が優先という暗黙のルール(20代・男・会社員)

・騒音がすごい
新年、結婚式、葬式、法事など、イベントの際には朝晩(早朝5時過ぎから深夜まで)窓ガラスが振動するくらい、隣近所構わず音楽を大音量で流すこと。週末だろうが何だろうがお構いなし(20代・女・サービス)

・物価が高い
生活費を日本の1/3程度と考えていたが、高いものは高く、物価が安く感じられない(30代・女・技術職)輸入品が高い(20代・男・会社員)地元向けのものは安く、外国人向けのものは高い傾向。日本の相場感覚が通用しない(30代・女・管理)外食が案外高くつく(30代・男・旅行業)

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・停電、断水。不安定なインフラ
暑い時に限って停電(20代・女・営業)停電した時にロウソクをつけたら、あまりの暑さと熱さでロウソクがぐにゃりと折れ曲がってしまった(40代・男・NGO)頻発する停電と断水。でも慣れたら「まいっか」と思えるようになった(30代・女・自営業)

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 ・ワイロ、公的なチップ
警察、役所などですぐ金銭要求される(20代・女・会社員)ローカル病院では医師に謝礼金を渡すか渡さないかで対応が違う(30代・女・会社員)郵便局では(配達してくれないのに)荷物を受け取るだけでお金を払わなければならないシステム(40代・男・サービス)

・泥棒が多い
日本人の知人(プノンペン)の約半数がひったくりや盗難に遇っている。特にアイフォン。ある知人は、ボンケンコン市場付近で、携帯で電話しているところを狙われた(20代・男・広報)財布の中から5US$札だけとか、わからない程度の小額を抜くテクニック(30代・女・主婦)

・思ったより暑い、寒い
雨季直前の身の危険を感じるような暑さ。在住3年を過ぎて毎年この季節を経験しても、暑いのは変わらない(20代・女・営業)年中常夏かと思ったが、12~1月は寒い。長袖1枚でも寒い時もある(30代・女・自営業)

 

 

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・嘘、言い訳が多い
バレる嘘を平気でつく人が多い(20代・男・営業)仕事でミスをしても謝らず、笑ってごまかす(20代・女・医療)できないことを「できる」と安請け合いする。結果できなくても悪びれず謝らず…(30代・女・技術職)お気に入りのパンツが紛失、ふと見たら宿のセキュリティが履いている。僕のものと主張しても「違う、市場で買ったんだ!」とガンとして譲らず、根負けして諦めた(20代・男・広報)

・「夢はお金持ち」
身なり、持っている物で態度を変える人が多い(20代・女・出版)「将来の夢はお金持ち」という人が多い(20代・男・営業)牧歌的なイメージがあるが「金」と「力」があれば何でも許されるという、超現実的な一面がある(30代・女・管理)給料の良い仕事が見つかるとすぐさま転職(20代・男・広報)

・ネット、SNSマナーの欠如
自分の写真に他人をタグ付けしまくったり、グロ画像(動物、人間問わず)をシェアしたり。夜中にFBを見ていて、事故現場の流血写真や殺人現場の動画がタイムラインに突然出てきたときはゾッとしました(20代・女・販売)知らない人からもFBの友達申請がくる(20代・男・飲食)

・自分大好き
職場のデスクトップを自分の写真にしている。彼氏、彼女とのラブラブ写真も気にしない(20代・女・販売)イオンモールでは自撮りするために来店する若者をよく見かけます(20代・男・営業)女性のパーティーにかける意気込みがすごい。半日~1日かけてセット。原形をとどめないほどの厚化粧(20代・女・サービス業)

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・仕事がハード
のんびり働こうと思って来たが、想像以上に忙しく、日本とあまり変わらなかった(30代・女・会社員)経験のあるなしに拘らず、日本人というだけで管理職的な立場に置かれる(20代・女・販売)何でもやらされる。人手がないので仕方ないけど(20代・男・管理)

・意外に難しい「ビジネス」
売れると思っていたものが売れず、予期せぬものが売れる。現地のニーズを掴むのが難しい(20代・女・販売)新しいものが定着するのに時間がかかる。でも一度定着したらあっという間に広まる(コピーされる)(30代・女・会社員)客単価が低い(20代・男・飲食)オンリーワンだと思ってきたら、同業種がいっぱいいた。(30代・男・自営業)

・ローカルスタッフ悲喜交々
カンボジア人スタッフが会社の金を盗んだ。返せと迫ると両親と婚約者が出てきて逆ギレ。挙句の果てに返金額のディスカウント交渉をはじめた(20代・男・営業)出社後、隠れてラーメンやボボー(お粥)を食べている(20代・男・会社員)ローカルスタッフのマネージメントが本当に大変(20代・男・管理職)
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・意外と多かった日本人
プノンペンは日本人が多く、日本人と接する時間が一番多い(20代・男・営業)在住日本人が少ないと思っていたけど、思いのほか多かった(30代・女・主婦)

・日本人の「ローカル化」
感覚がカンボジア人のような日本人がいる(20代・男・会社員)仕事とプライベートの区別が曖昧、TPOをわきまえた格好をしない等「日本の常識はどこへ行ったんだ?」とツッコミたくなる日本人が少なくない(30代・女・技術職)F2-38_cut-4・狭い日本人社会
プライベートの友達と取引先がかぶる。お互いがお互いの「客」であることも多々あり(30代・女・管理)何気なく知人に話したことが、全然知らない日本人にも伝わっていて驚いた。日本人社会の狭さを実感した(20代・女・サービス)休日外出すると、必ず知り合いに会う(30代・男・営業)

 

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・虫、生き物に囲まれた生活
アリやネズミが食品を食い荒らしに来る(20代・男・会社員)道を野犬がウロウロ(20代・男・自営業)ジュースの飲み残し、ふと見たらヤモリが飲んでいた(30代・女・会社員)何だかわからない虫によく刺される(20代・女・飲食)

F2-38_cut-6・貧富の差が激しい
所得レベルの割に高級車がたくさん走っている。富の配分がうまくいっていない(20代・男・営業)都市部と農村部の二極化がさらに進んでいる(40代・男・NGO)

・祝日が多すぎる
カンボジアの祝日は年間30日以上。振替休日も合わせるとそれ以上。その度に仕事がストップするので勘弁してほしい(20代・男・広報)土曜日に祝日が重なると月曜日は半休になる(30代・女性・会社員)

・物が壊れる、故障する
銀行のATMではよくキャッシュカードが飲み込まれる(30代・女・販売)車がよく故障する。直しても今度は違うところが故障。信頼できる修理屋を探すのが至難の業(30代・男・営業)長く使えるものが少ない。子供のおもちゃもすぐ壊れる(30代・女・主婦)

 


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・ゆったりとした時間
時間に追われて生活していた日本と異なり、自分の生活スタイルをしっかり作って自分の足で生きている感覚が持てる(30代・女・自営業)時間の縛りをあまり感じさせない雰囲気。日本より有給が取りやすい雰囲気(30代・女・医療)

 ・どこでもWi-Fi
Wi-Fi対応のレストランやカフェがとても多い。(シェムリアップ)ほぼ全ての店で無料WiFiがあるのでとても便利(20代・女・サービス)最近は田舎に行っても電波状況が良く、スマホやタブレットでどこでもネット接続できる(30代・男・自営業)通信料金が安い(20代・男・会社員)

・大らかなで親切なカンボジア人
面倒見が良いカンボジア人。困っている時には「どうした?」と聞いてくれるので、バイクが動かなくなった時や道に迷った時は本当に助かった(20代・女・会社員)人見知りで引っ込み思案な私にとって、人懐っこい性格のカンボジア人には学ぶ部分がたくさんあった(20代・女・出版)

・英語が通じる
(都市部では)英語が堪能なカンボジア人が多い。クメール語ができなくても生活できてしまう(30代・女・主婦)普通に英語で話しかけてくれる(20代・男・サービス)

・気軽にプチ贅沢
5つ星ホテルでお茶をしたり、イタリアンやフレンチに行ったりと、ちょっとした「贅沢」が身近になった(30代・女・会社員)安心して外食できる多国籍のレストランが沢山ある(20代・女・サービス)マッサージやスパが安いからよく利用する(30代・女・販売)F2-38_cut-7

title_7・受け入れること、飛び込むこと
日本と比べて腹を立てても良い結果はひとつも生まれませんでした。仏の気持ちで全てを受け入れ、違いを楽しみながら生活しましょう(20代・女・販売)都市部では英語と日本語だけでも生活できますが、挨拶程度でもクメール語を覚えてカンボジア人の中に飛び込むと、世界が広がります(20代・男・技術職)

・趣味、ストレス発散法を見つけること
日本とは色々な意味で異なることが多いので、ストレスも溜まります。自分に合ったストレス発散法を見つけることが大事かと思います(20代・女・営業)生活に慣れると日々が単調になりやすいので、趣味を持つといいと思う(30代・男・自営業)タイやベトナムなど近隣国へ安く行けるので、たまに行くとストレス発散になります(20代・女・販売)

・自分の身は自分で守ること
夜の外出を控える、必要以上に現金を持ち歩かないなど、自分の身は自分で守ることをいつでも忘れないように。ここは日本ではありません(20代・女・出版)急な怪我・病気もあるので海外旅行保険には入っておくこと(20代・男・会社員)

・信頼できるカンボジア人の友人を持つこと
困った時、トラブルに遭った時に頼りになるのはカンボジア人。信頼できる現地の友人を持っておくと命綱になる(誰が信頼できるかを見極めるのが大変だけど)(30代・女・会社員)車など大きな買い物をする時には、そのことに詳しいカンボジア人と一緒に行ったほうが安心です(20代・男・会社員)F2-38_cut-8


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