カンボジアクロマーマガジン35号
美しき花のように。天女アプサラの物語
伝統舞踊の演目紹介~古典舞踊と民族舞踊~
カンボジアの伝統舞踊は大きく2つに分けられる。ひとつは古典舞踊。もうひとつは庶民の生活から生まれた民族舞踊で、地域性や民族性も色濃く出ているフォークダンスである。現在、街中で観覧できる舞踊ショーは古典舞踊と民族舞踊の混合で、1回で数種類の演目が演じられることが多い。ここでは、比較的メジャーな演目6種類を紹介する。
古典舞踊
モニメカラー
水の女神モニメカラーと悪魔リエムソーが不思議な玉をめぐり戦う物語。二人の斧がぶつかる音が「稲妻」を、モニメカラーの勝利が「恵の雨がもたらされる」ことを表している。そのため雨乞いや豊穣を願う儀式に奉じられた舞と言われている。
金の人魚のダンス(ソバーンマチャ)
魔王ラーバナがシータ姫をランカー島に誘拐した。姫を救うため猿軍が島にかける石橋を造っていたら、ラーバナの娘ソバーンマチャ(金の人魚)が石を動かしてしまった。猿神ハヌマーンが人魚に橋造りの協力を求めるという、リアムケーの一節。
テップモノロムダンス
「幸福の神のダンス」として親しまれている、幸福、繁栄、友情などを祈る古典舞踊。アプサラダンスと同じく、コサマックが生み出した代表的な群舞のひとつで、古典舞踊の中で最も美しいと言われている演目のひとつ。
民族舞踊
ココナッツダンス
カンボジア南東部のスバイリエン州発祥で、半分に割ったココナッツの殻を叩いて踊る躍動感あふれるダンス。結婚式などでも踊られる。
漁師のダンス
カゴを持ち漁師に扮した男女が、カンボジアの伝統的な漁を表現する。初々しい男女の恋模様も見どころのひとつ。クメール正月や伝統行事に踊られる。
孔雀のダンス
二羽の孔雀が羽を大きく広げて舞う、パイリン発祥のダンス。王女が夢に見た孔雀をハンターが追うという、カンボジアの昔話を題材にしている。
カンボジア南東部のスバイリエン州発祥で、半分に割ったココナッツの殻を叩いて踊る躍動感あふれるダンス。結婚式などでも踊られる。