今年度より教員の給与37ドル増額
カンボジア政府機関は、2015年度より高等学校と小学校教員の月給を現行の125US$から35US$増額し、162US$とすることを発表した。またフンセン首相は、3月2日に開催された全国識字キャンペーンのオープニングセレモニーで、2018年までを目標に教員の月給を250US$まで増額する意向を表明した。
与党カンボジア人民党は2013年、教育システムの改革を選挙公約に選挙活動を行っており、今回の給与増額はその選挙公約実行の一端である。一方で、2013年の選挙で教員の給与額増額をいち早く公約に掲げ躍進した野党の救国党からは、段階的ではなく早急に250$まで増額するべきであるという指摘も出ている。
日本国外務省の発表によると、カンボジアの小学校の就学率は2011年の時点で69%、中学校は17%と周辺国と比較しても著しく低い。その背景の筆頭として、教員の給与が不十分であることが挙げられてきた。カンボジアでは本来無料で通学できる公立の小学校や中学校で、教員が給与不足を理由に生徒から授業料や試験の受験料の集金おこなうことが暗黙のルールとなっており、これが家計の負担となってドロップアウトしてしまうというケースが多発してきた。
カンボジアの教育現場の改善に向けて、今後は給与増額に加え、教員の汚職や不正の取り締まりの強化も求められる。