まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

カンボジアでの火災保険は、保険金額に応じて2種類に分かれています。保険金額がUS$10,000,000までの場合はFire insurance、保険金額がUS$10,000,000を超える場合はIndustrial All Risk insurance (IAR) の適用となります（2024年12月現在）。

Fire insuranceでは、カンボジア政府所管のタリフルールに基づき、補償内容や保険料等を設定するよう義務付けられています。 一方、IARは、より広範囲なオールリスク型の火災保険で、こちらは各保険会社の裁量で補償内容や保険料等をある程度自由に設定することが可能です。

今回は、タリフルールの対象となるFire insuranceに焦点を当て、その基本的な補償内容や付帯特約等についてお話します。

火災保険は、主に火災による損害から建物や財産を守るための保険です。Fire insuranceの基本補償の範囲は、「火災」「落雷」「爆発（商用でない小規模なもの）」による物的損害になりますが、火災だけでなく、万一の災害や事故に備えるため、Fire insuranceには13種類の特約が用意されています。

< Fire Insuranceに付帯可能な特約 >

1.  Aircraft Damage （航空機の衝突）：
   航空機の建物への衝突による物的損害を補償します。
2.  Earthquake and Volcanic Eruption （地震および火山の噴火）：
   地震や火山の噴火による物的損害を補償します。
3.  Explosion （爆発）：
   工場等で起こった大きな爆発による物的損害を補償します。
4.  Flood （洪水）：
   洪水による物的損害を補償します。
5.  Hail （雹（ひょう））：
   雹による物的損害を補償します。
6.  Hurricane, Cyclone, Typhoon, Windstorm （ハリケーン、サイクロン、台風、暴風）：
   台風などの暴風雨による物的損害を補償します。
7.  Impact Damage （衝撃損害）：
   車両が建物に衝突した場合等、物理的な衝撃による物的損害を補償します。

濱口 有知子