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カンボジアクロマーマガジン11号

世界遺産サンボープレイクックだけではない、コンポントムのストーリー

[取材・文・制作] 谷岡郁子

町の中心を流れる穏やかな川。そこにかかる2本の橋を車とバイクが行き交う。橋の袂に大きく枝を広げた木が木陰をつくり、夕暮れ時には町の人たちの憩いの場が生まれる。
毎日目の前にあるこの景色は、どこでしょう?シェムリアップ?バッタンバン?いえ、ここはコンポントム。きっと今、ちょっと首をかしげたのでは?カンボジアのちょうど真ん中の立地ゆえに、“通過する町“として、多くの人が実は知らずに足を踏み入れているはず。コンポントムの代名詞、カンボジア国内第三の世界遺産であるサンボー・プレイ・クック遺跡群という歴史の中の非日常と、大都市でもなく、観光地でもない、「普通のまち」というカンボジアに暮らす外国人にとっての非日常。その2つの非日常の世界が、どっしりとでっかい大地に載っている。それが、ここ、コンポントムなのです。

 

「普通の町との出会いかた」

この町の面白さは、普通の暮らしの中にあります。

1.  町の人に「なって」旅してみる
コンポントムの町はコンパクト。どこでも自転車で行けるのが魅力。町の人たちがよく行く場所に、よく行く時間に自転車で出かけてみよう。午前中なら市場に、夕暮れどきなら川沿いに。町の人になった顔をして歩いてみる。手元に即席クメール語があったら、なお面白い。


2. 町の歴史に触れてみる
前国王の若き日の頃から国内の交通の要衝だったコンポントム。町のあちこちに1900年代半ばの建物があり、現役で使われている。町歩きの案内人と一緒に古い建物を廻れば、違う世界が見えてくるかも。

3. 町の人がよく行く「うまい店」に行く
おしゃれな店はないけれど、地元民が愛するクメールの「うまい店」がそこかしこに。隠れ家的老舗や最近人気の新興店、ぜひ即席クメール語を手にどうぞ。


1. セン川をゆく
コンポントムの町の真ん中を通るセン川。国道6号線が通る橋のたもとから川に沿って自転車で10分走ると、もうそこには村の風景が。日暮れ前の時間になると、川沿いのお家から続々と皆さん出てきて網をかけたり、洗濯したり。川の上をボートで遡ると、遠くに見えるサントック山を背景に夕陽が沈んでいく情景は、まさに心洗われる時間。

 

>次ページは、吉川舞さんへのインタビュー!

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