ホーム 過去のマガジン記事 プノンペンの風景: 第18回:路上物語-変ったけど変ってない?

カンボジアクロマーマガジン27号

 

プノンペンの変り様はすさまじい。おしゃれな建物、レストランの数もぐっと増え、行く所々で日本語もよく聞こえるようになった。中でも特に車とバイクの量がすごい勢いで増えた。以前にも書いたが、物理的に規制する事と教育をしっかりしないと交通事故件数・死亡者数は増えるばかり。

 

似たような短パン姉さんばかりが目に付き、サンポット(裾長の伝統スカート)で出勤する清楚な女性たちの姿は見られなくなってしまった。

 

ついこの間運転中、久しぶり警官に止められた。急いでいたのでそれなりに違反らしきことはしていたようだ。それでもなぜ私だけ?という不愉快さがあり、とりあえず反抗。こちらも慣れてきているので、免許拝見の時絶対に免許を離さない。見せるだけ。「あの車もあのバイクどもも違反だらけなのになぜ見逃すの?」散々抗議しても最後は私自身の話に限られ、ここで罰金を払えば放免してやる、となる。免許証を取り上げられきちんと交番に行くと、きちんと罰金の領収証を発行してくれるのだが、わざわざ出頭する時間がもったいない。「違反はいくら?」「ビール代でよい。」「1ドルでも買えるよね。」「こちらは5人いる。」え?なんかこの会話、20年前と一緒なんですけど・・・。「あなたの名前は何?」「聞いてどうする。」「言いつけてやる。」ひるんだ際にビール2缶代を渡して出発。

 

・・・ある日、長女がトゥクトゥクに乗った時の話。行き先を告げると運ちゃんが何かを聞いてきたが、風の音で聞き取れないまま「そうだ。」と返事。次の質問が、「北か南か?」だそうで、頭をひねった末、ああ、韓国人か?と聞かれてたのだとわかり、「北」と答えた。その後の会話。
「ひぇー!どうやって来たの?一人で来たの?」「お母さんと一緒に逃げてきた。」「おおー!よーく無事だったねー。よかったねー。」

 

ヘルメットの中のおじさんの目玉が、コミックでいう飛び出ている感じが思い浮かぶ。20年前はトゥクトゥクはなかったけれど、まだこんな純なおじさんがいるのはあの頃と変らない。


いしもと ゆみ

89年に一度カンボジアへ渡航。92年に日本のNGO職員としてプノンペンに赴任以来、援助関連業務に携わるが、04年から企業に勤める。プノンペン生まれの一女一男の母。

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