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カンボジアクロマーマガジン34号

教えて!クロマーじいさん カンボジア州名トリビア

[文・イラスト] 多賀 史文  [制作] 安原 知佳

 

●南西部

7、今なお残る伝説の中洲  ポーサット州
8、あの木なんの木、気になる木  コンポンスプー州
9、嘘か誠か、ギョギョギョの話  カンポット州
10、とある王子様の逃避行  ケップ州
11、今なお慕われる前国王  プレアシハヌーク州
12、カンボジア最大の離島  コッコン州

 

7.ポーサット州  Pursat
山と湖に挟まれた自然豊かな州

昔々、この辺りの村を流れる川に菩提樹の枝が流れてきた。村人たちはこれを大変ありがたがって、水面に浮かぶ枝に祈りをささげたところ、その枝はたちまち大きな木になって、川に中洲を造った。それからこの中洲の辺りがポーサット(流れてきた菩提樹)と呼ばれるようになり、そこを中心に街へと発展していったという、この地に語り継がれている昔話に由来する。この中洲はポーサット市の市内を流れるポーサット川にある中洲であるといわれており、現在はその場所にソンパウメアス寺院という船型の寺が建立されている。

f1-34-07Pursat

面積 12,692km²
人口 457,323人
見所 コンポンルーン水上村
トンレサップ湖上にある水上村。1万人以上の人々が漁業を営んでいる
名物 大理石
カルダモン山脈で採れるパゴタイトという大理石で作った仏像や置物

 

8.コンポンスプー州  Kampong Speu
見渡す限りオウギヤシの木々

コンポンスプーとは「スターフルーツの港」という意味だが、これは昔、同州を流れるプレックトナオット川の渡し舟の港に、大きなスターフルーツの木があり、そこを中心に街が発展していったという言い伝えに由来する。この話に登場するプレックトナオット川流域は、トナオット(オウギヤシ)の栽培が盛んで、中でもコンポンスプー州は国内最大の産地である。オウギヤシはカンボジアの農村部の生活から切っても切れない存在で、果肉は料理や甘味に、花の蜜は砂糖や酒に、葉は屋根材や工芸材、材木は建材など多目的に用いられている。

f1-34-08Kampong-Speu

面積 7,017 km²
人口 802,682人
見所 キリロム国立公園
現代寺院や渓流などがあり、週末はプノンペンからのレジャー客で賑わう森林
名物 オウギヤシ製品
ヤシ砂糖やヤシ酒などの食品や、ヤシ材を使った雑貨

 

9.カンポット州  Kampot
仏植民地時代からの行楽地

カンボジアには海水、淡水問わず多くの種のフグが生息しており、カンボジア人はこれを干して珍味として食す。カンポット州には特に多くのフグが生息しており、そこから同州がカンポット「フグ」と命名されたと地元民は考えている。一方で、一説によるとこのカンポットという言葉は「茂み」を意味する別の言葉であったという説もある。その昔、カンポットの浅瀬にはマングローブの茂みが無数にあり、その茂みの中に漁民たちを相手にする華僑の商店がいくつもあったことから、この地がカンポットと呼ばれるようになったという。

f1-34-09Kampot

面積 4,873 km²
人口 651,739人
見所 ボーコー高原
仏植民地時代に開発された避暑地。近年はリゾート地開発がすすめられている
名物 ドリアン
香りが良くて甘みも強く、国内ブランドとして認知されている。旬は5~7月

 

10.ケップ州  Kep
のんびりできるリゾートタウン

フランス語の岬「Le Cap」に由来するという説が有力だが、地元民はカンボジアの有名な昔話に由来していると話す。昔、王都アンコールトムに魔法を使う王子がある日、軍師に催眠術をかけて眠らせ、軍師の美しい白馬を盗んで南へと逃げる。海辺までたどり着いた王子は一安心し、浜辺でのんびりしていたが、浜の彼方から軍師が追って来ているのに気付いた。王子は驚いて白馬に飛び乗ると、猛烈な勢いで逃げていったが、その時に馬鞍が落ちて取り残されたことから、この地がクメール語で鞍を指す「ケップ」と呼ばれるようになった。

f1-34-10Kep

面積 336 km²
人口 39,524人
見所 ビーチリゾート
ゆっくりと過ごせる閑静なビーチと、マングローブの森散策が楽しめる
名物 カニ
市場で買った新鮮なワタリガニを、レストランに持ち込んで炒め物や丸茹でにして食べる

 

11.プレアシハヌーク州  Preah Sihanouk
リゾート開発が進む港湾都市

同州は昔、コンポンサォム(月の港)と呼ばれていた。第2次大戦後、仏領インドシナが解体されると、かつてカンボジアが海上貿易の拠点としていたメコンデルタ一帯(後述のカンプチア・クロム)はベトナムに帰属してしまう。そのため、カンボジアは貿易を行うためにコンポンサォムに国際港の建設を進めた。資金難で工事は難航したが、1960年に港を竣工、完成を記念して当時の国王であるシハヌークの名を取り、プレアシハヌークと改名した。シハヌークとは「ライオンの顎」という意味で、市内にも金色のライオンの像が建てられている。

f1-34-11Preah-Sihanouk

面積 868 km²
人口 221,396人
見所 ビーチリゾート
ダイビングや島巡りなどアクテビティが充実した、国内最大のビーチリゾート
名物 海産物
揚げシャコや焼きイカなどの屋台が有名。お土産には海水魚の干物が人気

 

12.コッコン州  Koh Kong
深い山々に囲まれた秘境

コッコン一体は20世紀初頭までシャムの領地となっており、当時はパチャントキリケート(山の境界の街)と呼ばれていた。その後、仏植民地時代にカルダモン山脈の麓に沿って国境が引かれ、この地域はカンボジアに編入、ケップ州に属した。仏植民地から独立後にケップ州から分割され、新しい州にあるカンボジア最大の離島「コッコン島」の名前が州名として採用された。コッコンは「防舷材の島」を意味し、カンボジアの昔話に出てくる沈没船の防舷材(船体に取りつける緩衝材)が、この島で見つかったという言い伝えに由来しているといわれている。

f1-34-12Koh-Kong

面積 11,160km²
人口 127,160人
見所 サファリワールド
ワニやオウム、オランウータンなどのショーが有名な動物園
名物 胡椒
カンポット州と並んで胡椒栽培が盛ん。フルーティーな香りで程よい辛さ

 

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素敵なカンボジアに出会う小旅行へ―The trip to encounters unknown cambodia