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ホーム マガジン カンボジア経済: 29回目:カンボジア中央銀行  銀行監督年次報告書を発表

カンボジアクロマーマガジン39号

カンボジアの中央銀行であるNBC (National Bank of Cambodia)は、銀行監督報告書2014を発表しました。この報告書は年1回発表されますが、カンボジアの銀行セクターについて詳細なデータも含んでおり、大変参考になります。

 2014年末現在、カンボジアの商業銀行数は36行となっています。内訳は、地場銀行13行、外国銀行現地法人12行、外国銀行支店11行です。この他、特殊銀行11行、外国銀行駐在員事務所が7事務所あります。2014年末の商業銀行の本支店数合計は、2013年末の486店から11.3%増加して541店となりました。2014年末の従業員総数は、対前年比21.8%増の19,763人となっています。日系メガバンク3行(三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)は、いずれもプノンペンに駐在員事務所を開設しています。

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カンボジアの中央銀行であるNBC。その外見から「赤い銀行:トーニエキエ・クロホーム」とも呼ばれます


 2014年も、カンボジア経済の好調の波に乗り、カンボジアの銀行セクターは引き続き順調に成長しました。2014年末の商業銀行・特殊銀行の総資産は、2013年末の50.9兆リエル(約127億ドル:約1兆5200億円)から29.6%増加して66.0兆リエル(約165億ドル:約1兆9800億円)に達しました。2014年末の貸付残高は、2013年末の29.4兆リエル(約74億ドル:約8900億円)から29.7%増の38.1兆リエル(約95億ドル:約1兆1400億円)となりました。預金残高も、2013年末の30.2兆リエル(約76億ドル:約9100億円)から31.5%%増の39.7兆リエル(約99億ドル:約1兆1900億円)となっています。純利益も順調で、2013年の9764億リエル(約2.4億ドル:約290億円)から30.0%増の1兆2698億リエル(約3.2億ドル:約380億円)となっています。総資本利益率(ROA)は1.92%、株主資本利益率(ROE)は10.43%と好調です。
 中央銀行では、好調の理由を、銀行システムへの信認の向上、金融機関数の増加、金融サービスのバラエティの増加等によるものと分析しています。
 貸付先をセクター別シェアで見ると、卸売19.0%、小売15.1%、その他金融9.1%、農林水産業10.0%、製造業9.3%、建設8.1%等となっており、実業向けが中心となっています。住宅(個人向け)は6.3%、不動産は4.0%、個人消費は4.4%に留まっています。
 貸付金利(加重平均)は、ドル建て1年で11.5%/年、リエル建て1年で16.3%/年となっています。預金金利(加重平均)は、ドル建て1年物で4.2%/年、リエル建て1年物で6.0%/年です。預金金利は銀行間でばらつきが大きく、最高金利は、ドル建て1年物で6.0%/年(プノンペン商業銀行、カンボジア郵便銀行)、リエル建て1年物では7.0%/年(ACLEDA銀行他)となっています。
 商業銀行・特殊銀行の平均不良債権比率は、2013年末の2.70%から若干減少して2014年末は2.22%となっており、引き続き低い水準にあります。

 中央銀行では、各銀行から提出される書類審査(日次、週次、隔週等)と現場立入検査により、銀行監督を強化しています。カンボジアの銀行セクターは、全体的な業績は好調なものの、今後取り組む課題として、リスク別の資産分類、ガバナンス、内部統制等をあげています。




鈴木 博(すずき ひろし)

2010年にカンボジア総合研究所を設立。
2007年からカンボジアに住んでいます。
ブログ「カンボジア経済」もご覧ください。
ブログ: http://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh

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