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ホーム マガジン カンボジア経済: 15回目:絶好調の金融セクター

カンボジアクロマーマガジン25号

 カンボジアでは内戦により全ての銀行が破壊されてしまいました。和平から20年が経ち、金融セクターは躍進の時期を迎えています。

 カンボジアの商業銀行は、外資系も含めて32行もあります。しかもこの2年間で5行も増えています。また、貸付の総額も2011年末で43.2億ドル(約3400億円)に達しました。貸付総額は、2007年末の15.8億ドルから5年間で2.7倍に伸びています。金融危機の2009年は別としても、利益も順調に増加し、過去2年間で2.4倍となり1億4300万ドル(約113億円)に達しています、支店数、従業員数も大きく伸びてきています。これは、これまで未成熟だった金融セクターが信用力を増して、多くの人たちが銀行に預金し、借入をするようになったことが大きな要因です。
 毎年大きく伸びてはいるのですが、銀行に預金している方の数はまだ限られていて、総人口1340万人のうちの127万人です。借入れをされている方の数は約30万人に留まっています。これは逆に言うと、今後の大きな伸びに繋がるものと期待されており、外資も含めて銀行への投資、新規開業が相次いでいます。
 銀行の預金金利は、ドル建て1年もので最高6.2%となっています(カンボジア商業銀行。2012年8月現在)。また、貸出金利の平均は、1年で15.4%となっています。
  中央銀行(NBC)は、IMF等の国際機関の支援も受けながら、銀行監督業務を強化拡充しています。不良債権比率は、平均で2.4%と低い水準にあります。また、2009年のような経済金融危機にも耐えられるように銀行セクターを強化するために、最低資本金も2010年末にそれまでの3倍の約30億円に引き上げられています。

 カンボジアで最大手の銀行は、ACLEDA銀行ですが、貸付残高は、約11億ドルで日本のメガバンクと比べると1000分の1程度の規模となっています。日本の企業や個人が良く使われているANZロイヤル銀行(オーストラリア系)は、多数のATMを銀行だけでなくショッピングセンター等にも展開し、利便性を高めています。日本のメガバンクも、既に三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行がプノンペンに事務所を開設しています。更にみずほコーポレート銀行も今年中に事務所を開設する予定です。最近は、中国銀行、中国工商銀行がプノンペンに支店を開設しており、人民元の取引を開始する等、中国の進出が金融セクターでも目立っています。この他にも、韓国、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、インド等からの投資で銀行が設立されています。
  カンボジアではマイクロファイナンスも盛んに行われています。中央銀行の認可を受けている団体が32、登録している団体が29に及びます。マイクロファイナンス機関の預金金利は商業銀行よりも高く、ドル建て1年物で最高8.5%/年(KREDIT。2012年8月現在)という高金利のものもあります。

  なお、カンボジアでの預金には、カントリーリスク等の様々なリスクがありますので、預金される際にはリスクについて十分にご検討ください。

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大手のカナディア銀行本店があるカナディアタワー。
近くにはACLEDA銀行本店、ANZロイヤル銀行本店等が並んでいます


鈴木 博(すずき ひろし)

2010年にカンボジア総合研究所を設立。
2007年からカンボジアに住んでいます。
ブログ「カンボジア経済」もご覧ください。
ブログ: http://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh

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