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ホーム マガジン カンボジア経済: 第31回:南部経済回廊 ~カンボジアを支える大動脈

カンボジアクロマーマガジン41号

 南部経済回廊は、ベトナム(ホーチミン)~カンボジア(プノンペン)~タイ(バンコク)を結び、将来的にはミャンマー(ダウェー)からインド洋にまで繋がるルートです。カンボジアは、この南部経済回廊を利用して、日本企業が集積するバンコク周辺やホーチミン周辺とサプライチェーンを構築していくことを目指しています。
 カンボジアとベトナムの国境であるバベットからプノンペンを経て、タイ国境のポイペトを通ってバンコクまで、合計800キロを陸路で走破しました。南部経済回廊、特にロジスティクスインフラの現状を報告したいと思います。

 

コンテナトラックが多数行きかうカンボジア(バベット)~ ベトナム(モクバイ)国境

コンテナトラックが多数行きかうカンボジア(バベット)~ベトナム(モクバイ)国境

 

1. カンボジア・ベトナム国境
 カンボジア(バベット)とベトナム(モクバイ)の陸路国境を久しぶりに視察しました。驚いたのは、40フィート大型コンテナを積んだトラックが列をなしていたことでした。プノンペンから日本・北米向けの輸出は、プノンペン港からメコン河等を下って、ホーチミン周辺のコンテナ港で大型コンテナ船に積み替えて輸出するルートが使用されてきました。しかし、つばさ橋を含む道路インフラの改善により、陸路輸送が大幅に増えているといわれます。越境交通協定(CBTA)で、600台の自動車(主にトラックやバス)が二国間を直通することが認められており、国境での荷物の積み替えやバスの乗り換えは、ほぼ不要になっています。

 

2. バベット国境~プノンペン
 国境からプノンペンまでは、国道1号線で約160キロ、車で3時間~4時間ほどとなっています。日本政府の支援により、国道1号線は大幅に改良されています。特に、今年4月にメコン河を越えるつばさ橋が開通し、それまでのフェリー使用による渡河に比べて、大幅な時間短縮と、確実性の向上が達成されたことは、ロジスティクスの面からは大きな変化と言えます。日本政府による国道1号線整備は、プノンペン側に残る4キロ区間の工事が行われており、2016年には完全に完成する見込みです。
 また、プノンペンとホーチミンを結ぶ高速道路の構想もあり、今後、日本も協力して事業化調査が行われていく見込みです。

 

3. プノンペン~ポイペト(タイ国境)
 プノンペンからタイ国境のポイペトまでは、国道5号線で約400キロです。プノンペンに進出している、ミネベア等の日系企業にとって、バンコク周辺の工業地帯との連結性は重要なポイントです。
 国道5号線は、片側1車線とはいえ、主要国道ですので、カンボジアとしても何とか整備を続けています。しかし、路面状態の悪いところもあります。また、地方都市の真ん中を通過する区間も多く、交通安全の面でも課題があります。このため、片側2車線化と主要都市を迂回するバイパス建設が計画され、日本政府の支援を受けて、今後工事が行われ2020年に完成の予定です。

 

4. カンボジア・タイ国境
 カンボジア(ポイペト)とタイ(アヤンナプラテート)との国境は活況でした。様々な物資を積んだ大型トラックが行きかっています。しかし、右側通行のタイとの間では、越境交通協定で認められる直行車輛の数量枠が40台に制限されており、まだ国境での荷物の積み替えやバスの乗り換えが必要となっています。

 

 南部経済回廊を久しぶりに走破して感じたことは、サプライチェーン構築のためのサービスリンクインフラが一応の完成をみており、実際に活用されていることです。特に、最後のボトルネックと言われたメコン河につばさ橋が完成したことは、大きな効果があると実感しました。カンボジアは、今後も7%程度の成長が予想されており、現在の状況に安住することなく、インフラについてハード面とソフト面の両面で整備・改善を進めていくことが必要とみられます。


鈴木 博(すずき ひろし)

2010年にカンボジア総合研究所を設立。
2007年からカンボジアに住んでいます。
ブログ「カンボジア経済」もご覧ください。
ブログ: http://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh

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