ホーム 過去のマガジン記事 アジアン便り: お題 : 動物

カンボジアクロマーマガジン28号

各国のフリーペーパー編集部がコラボしてお伝えするアジアン便り。今回は、各国の動物事情です。

ベトナム Vietnam

vietnam28

 約40年前にホアンキエム湖で捕獲された大亀のはく製

湖に現われる伝説の大亀

 

 ベトナムにも数多くの伝説が残っているが、有名なもののひとつに「ホアンキエム湖の大亀伝説」がある。15世紀初頭、レー王朝の始祖レ・ロイが黄金の亀から授かった宝剣で中国・明を討ち破り、天下を獲ったという言い伝えで、宝剣を亀に返した場所がホアンキエム湖だとされている。
 伝説に登場する大亀がホアンキエム湖に棲むと今でも信じられている。実は、ホアンキエム湖に棲む大亀は、正確には「シャンハイハナスッポン」という世界でも数匹しか生存が確認されていない希少種で、ホアンキエム湖にもたったの1匹しか棲んでいないのだとか。その姿はたびたび目撃され、地元の新聞でも何度も取り上げられている。体長2メートルもの巨大な亀が水面から頭をのぞかせると、その姿を拝もうと人々は車やバイクを停め、周辺は大渋滞を巻き起こす。地元のベトナム人にとって、伝説の大亀は幸福のシンボルであり、その姿を見ると幸せになれると信じられているのだ。

 

文:大久保 民(ベトナムスケッチ)
http://www.vietnam-sketch.com

 ベトナムの生活・観光情報を余すところなくお伝えする、ベトナム初現地日本語情報誌。A4サイズにリニューアルし、内容もさらにパワーアップ。ハノイ、ホーチミン市、ダナンなど、ベトナム全土の旬の話題をご提供。

ajian_30_3

インドネシア Indonesia

indonesia28

意外とカワイイ顔?のコモドドラゴン

人生観が変わる?現代の恐竜「コモドドラゴン」

 ずっと「子供ドラゴン」だと思っていた。ユネスコ世界自然遺産コモド国立公園のあるコモド島を中心に生息している「コモドドラゴン」。 見るからに固そうな鎧のような皮膚、しゅるしゅると素早く出し入れされる細長い舌、分厚く尖った爪、のっしのっしと歩く姿。大きいものでは全長3メートル、体重150キロほどにまで成長し地球上最大のトカゲとして注目を集めている。近年では日本のTVでも紹介され、この“現代の恐竜”をひと目見ようと距離的・価格的にも決して容易ではないこのコモド島へ訪れる日本人観光客も増えている。昼間は比較的暑さにバテてぐったりと大人しいが、野生のイノシシやシカを主食とし、時にはコモドドラゴンの子供(共食い)や人間まで食べてしまうと聞く。会いにきたのはいいがコモドドラゴンの姿を見つけるとキャーと逃げてしまうことも多々。常に緊張感が隣り合わせなのだ。獲物を捕えるときはギザギザの歯で噛み付き、猛毒とバクテリアを流し込むという。柵なし、飼育員なし、の野放し状態。食物連鎖の頂点に立つ、コモドドラゴン。「十分に気をつけて」「レンジャーハウスに宿泊の際は鍵の施錠を決して忘れないで」という注意のもと、エサにもなり得るかもしれないわが身の生命を実感しながらカメラ片手にコモドドラゴンに会いにいく人間の姿はたくましくも面白い。
 今ではコモド島、リンチャ島、パダル島を合わせて、3000〜5000頭ほどのコモドドラゴンが生息しているが、悲しいことに絶滅危惧種に指定されている。コモド島は赤い珊瑚のカケラが白砂に混じり、世界でも大変珍しいピンクビーチも見所のひとつ。美しい自然と古代地球の神秘を感じに、コモドドラゴンの島へ行き人生を見つめ直すのもいいかもしれない。

 

 文:青松  知加(アピマガジン)

2002年4月バリ島で創刊。今年の7月号で100号を迎える。2ヶ月に1回(奇数月15日)発行。バリ島を中心に、ジャカルタ、ジョグジャカルタ、スラウェシ島、ロンボク島などインドネシア中の観光情報や最新情報を紹介。地元編集部ならではの土着した生活術、地域密着情報、インドネシア人スタッフと力を合わせ、日々取材に走り回っている。 ajian_30_3

ラオス Laos

LAOS28

ペット用品ショップは鳥篭が目印

ラオスの動物

 

 在住11年の間で、我家で飼われたペットを挙げてみる。
 まずプードル種を飼った。彼女は散髪せずにいるとクルクルした毛が目を覆い前方の視界が見えなくなった。帰宅したところを勢いよく飛びついてきて前方を確認できず、そのまま扉に直撃して気絶してしまった。次に飼ったのは鳥類のカワセミ。田舎に行く途中のレストランで糸に繋がれて子供に遊ばれていたのを引き取った。カゴに入れたら可愛そうだと思って、家の中で放し飼いにしたら、飛び回って疲れたら停まった所でポトンと糞を落とす。扇風機の羽が糞だらけになった。また餌となるヤモリの確保も苦労した。ヤモリを見つけては、輪ゴムで狙い撃ちし、冷凍庫に保存した。我家のヤモリが絶滅したので、村中の隣人宅に夜な夜なハンティングに出かけた。村中のヤモリが僕の顔を見ると素早く逃げるようになった。次にやって来たのはジャーマン・シェパード。家の外に遊びに行って二度と戻らなかった。皆からベトナム人に食べられたんだろう、と諭された。
 今、我家にいるのは、ラオス雑種と日本人に呼ばれている兄弟犬。見た目は足が短く頭が大きい。これまでで、一番苦労話が少ない。知人にはサイチョウを飼った強者もいて、ラオスでは色んなペットを飼うことができるが、考えずに飼い始めると苦労するという体験談。当たり前か。

 

文・写真/テイスト・オブ・ラオス

創刊から9年。旅行者から在住者まで、他国に比べると圧倒的に情報量の少ない「ラオス」を日本語で伝えるタブロイド版季刊誌。首都ビエンチャン、世界遺産都市ルアンパバーン、南部商業都市パクセーの市内地図を掲載。お薦めレストランが一覧できるインデックスは便利。発行は年間32,000部。
ajian_30_3

カンボジアCambodia

Exif_JPEG_PICTURE

お寺の境内に住む犬一家

ライフ・オブ・ドッグ

 

  カンボジアの犬は、基本、放し飼いだ。
 路上でのんびり寝そべる犬。屋台で食事のおこぼれを待ち構える犬。何かに向かって猛然と走り 抜ける犬。子犬を連れて散歩する母犬。一見野良犬のごとく見える犬たちだが、彼らの多くは、時間になったらちゃんと「自宅」へ帰る飼い犬である。
 カンボジアの犬はペットではなく、番犬として飼われているものが大半だ。彼らは家族というより居候のような存在だが、自由きままに過ごしている姿はそれなりに幸せそうに見える。
 とは言え、境遇はなかなか厳しい。ふらりと出歩いた挙句、路上でヘンなものを食べて食中毒をおこしたり事故に遭ったりして、命を落とすことも少なくない。ひどい場合には「犬狩り」に犬肉料理屋へ連行されてしまうことも。彼らの生活はまさにサバイバルそのものだ。
 しかしこんな野生的な環境だからか、犬本来の生き様を垣間見ることができる。仲間と集い、時に喧嘩し、恋をして子を宿す。一匹のメス犬を巡って複数のオス犬が噛み付き合いの大喧嘩をしていたり、縄張り争いで負けた犬が追いやられていたりと、人間顔負けのドラマが日常的に繰り広げられている。
  最近はスーパーでドッグフードやペット用品も販売されるようになり、社会の変化とともに犬のあり方も変わっていくだろう。今の環境が良いとは言わないが、犬らしい犬を見られなくなるのも寂しい気がする。

 

文:矢羽野 晶子(クロマーマガジン)
http://krorma.com/
Facebook: krorma

カンボジアはシェムリアップ発、「使って便利、読んで楽しい」がコンセプトの無料季刊誌。アンコール遺跡情報はもちろん、どこに行こう、何食べよう?という時にバックに忍ばせておくと便利なガイドブック。2013年は日カンボジア修好60周年。ますます熱いカンボジアへいらっしゃ~い。
ajian_30_3

フィリピン Philippine

PHILIPPINE28

こんな風に見つめられるととても可愛い。

どこまでも不思議な生物ターシャ(フィリピンメガネザル)

 

  フィリピンの動物といえば「ターシャ(フィリピンメガネザル)」。ターシャは世界一小さな猿として知られており、体長は約10cm~12cm、体重は約120gと非常に小柄で、手乗り猿とも呼ばれています。特徴的な目は動かず、首を180度回転させて辺りを見渡します。夜行性なため、昼間はいつも眠たそうにしており、目を開けている時は観光客のために頑張ってくれているように見えます。
  性格は非常に繊細で、ストレスが溜まると死んでしまうと言われています。「ターシャを直視してはならぬ。もし目が合い、ターシャが涙を流したら、そのターシャは死んでしまう。」と言い伝えられているほど繊細な動物です。以前は手乗りも許可されていたようですが、筆者がターシャに会いに行った時には触ることも禁止されていました。乱獲と観光客の増加によるストレスの影響で絶滅の危機に瀕しているため、ターシャを撮影する際は、決してフラッシュを使わないといった配慮をしてください。
 これまでターシャは鳴かないと考えられていましたが、実は超音波で会話していることが2012年の研究でわかりました。研究によると超音波会話のメリットは2点あり、1点目は天敵に居場所を知られずに仲間に警戒音を発したり受け取ったりできること、2点目は主食のコオロギやキリギリスといった獲物の立てる音を盗聴することが容易になることだそうです。
  不思議な要素をたくさん持っているターシャですが、セブ島から高速船で90分のところにあるボホール島で会うことができます。ターシャのほかにも、フィリピン屈指のダイビングスポットや、見渡す限り広がる小さい山「チョコレート・ヒルズ」といった観光スポットも充実しているので、ぜひ一度は訪れてみてください。

 

文:折田航大(フィリピンプライマー)
http://primer.ph

ライフスタイル関連の情報を中心に、フィリピンのあらゆる情報を網羅した比国で初の日本語情報誌(月刊・無料)。フィリピン生活を快適に過ごすアイディアや情報満載のウェブサイトも運営しています。
ajian_30_3

香港 Hong Kong

 hongkong28

アクセス方法:
セントラルの交易広場(エクスチェンジスクエア)でバス12番をのり、3番目のKennedy Heights(ケネディハイツ)で降り、坂道を登るとすぐそこだ。途中はセントジョセフ教会があるので、時間があれば立ち寄ってもよいかと。

まさに「都会のオアシス」

 

 皆が知っていそうで、実はあまり知られていない、誰もが行っていそうでいて、実は行ったことがある人はあまりいない。そんな場所が香港島のど真ん中にある。それが金鐘(アドミラリティー)の少し山の手前にある『香港動植物公園』。
 この公園の歴史は古く、オープンは1864年。当時は植物園だったが、動物の数が増えたことにより、1975年に公園名が植物園から動植物園に変えられた。
 5.6ヘクタールある敷地には400種類の鳥、70種類の哺乳動物、そして900種類以上のめずらしい植物があり、子どもから大人まで楽しめる。オリの前にいつも人だかりのある人気者は、ボルネオ出身のオランウータン。近くには忙しい香港のオフィスビル群が見えているにもかかわらず、そんなこと知ったこっちゃないという風にスローライフを謳歌しているマイペースの彼ら。その態度に癒されるのか、子どもよりもおじさまたちの姿が多い。
 丸いユニークな噴水があるファンテンテラスガーデンのベンチに座ってまわりを見渡すと、はじめてビルに囲まれているということに気がつく。まさに都会のオアシス的存在の公園だ。キオスクもあるのでアイスクリームやカップヌードル、串刺しフィッシュボールなどの軽食を食べながら一休みもできる。
 大きな珍しい樹木も多く、入口でもらえる「Tree Walk」のパンフレットの地図と番号を見ながら進んでいくと、16種類の木を詳しく知ることができる。説明は全て中国語と英語で書かれているためわかりやすい。カラフルな花もあちらこちらで存在をアピールしている。
 敷地内には遊具を備えた子どもの遊び場もあるので、週末にはファミリーの姿も多い。よちよち歩きの子ども用エリアと、3歳くらいの子どもが遊べるすべり台など、エリアが分かれているのもうれしい。園内のトイレ内にはおむつ換えの台も設置されており、ベイビーフレンドリー。
 シングルでもカップルでもファミリーでも楽しめるオアシスで、のんびりと過ごす週末もたまにはいいだろう。

 

PPW編集部

『ぽけっとページウィークリー』は、香港・広州、深圳をはじめ華南地区に滞在する日本人に日系及びローカル企業、飲食店やビューティーサロンなどのさまざまな情報を発信する無料ウィークリーニュースペーパーです。地元ではPPWとして愛されています。


バックナンバー

facebookいいね!ファンリスト

クロマーマガジン

素敵なカンボジアに出会う小旅行へ―The trip to encounters unknown cambodia