ホーム 過去のマガジン記事 アジアン便り: お題 :自慢したい地元料理

カンボジアクロマーマガジン23号

各国のフリーペーパー編集部がコラボしてお伝えする、アジアン便り。今回は、各国自慢の地元料理についてです。

タイ Thailand

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豚の挽き肉、唐辛子、バジルだけの本当にシンプルな一皿

食堂の王様

 

 タイの地元料理と言えばなんだろうか。屋台はそこら中にあふれているが、どこか他の国々と似ている料理ばかり。タイ料理と言えば、世界3大スープに数えられるトムヤムクンや日本人にはなじみ深いグリーンカレーだろうか。どれもおいしいのだが、一品料理としての手軽さは無い。
 数ある屋台と同じくらいタイ国民の生活に根付いているものが注文食堂である。そこでは数々の材料を常に用意していて、客の頼む料理を軽々と調理する。この何でも注文できる食堂で誰もが食べる国民的メニューがある。「パットガパオ」日本語で言えばバジル炒めである。この料理が作れない注文食堂はないと言っても過言ではない。
 豚の挽き肉もしくは鶏肉をバジル、唐辛子、オイスターソースと炒める。店によっては別の野菜やニンニクを加えることはあるが、基本はこれだけである。これに多めの油でカリッと揚げた目玉焼きをのせるのがタイ流。味は濃く辛いのでご飯に合わせるにはうってつけの逸品である。ポテトチップスにもバジル炒め味があったり、コンビニ弁当の主力商品だったり、歌のタイトルになったりとタイの生活の中浸透している「パットガパオ」。これこそタイらしさを備えつつ、タイ国民に愛されている料理だろう。

ライター:田澤悠(ダコ)
http://dacolab.daco.co.th/tvdaco/

ときにタイ初心者用にサラリと上澄み情報を。ときに在タイ数十年の古株でも、気にはなっていたが知らなかった事実を白日の下に。1998年5月の創刊以来、無料の情報誌でありながら、硬軟とりまぜた毎号の特集のバックナンバーが書店で正規ルートとして売られ、不埒な輩は街でゼロで仕入れてネット上で500円以上で密売するという、内容以上に役立つこともある情報誌です。

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ベトナム Vietnam

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「ブンボーフエ」は、辛味噌を加えてパンチを効かそう。

ベトナム=フォー? 違います。

 

 ベトナムを訪れる旅人のお目当てグルメといえば、やっぱりフォーがダントツ。水で溶いた米粉の生地を薄く延ばし裁断した米麺料理で、あっさりとしながらもコクのあるスープとともにいただく、ベトナム料理の代表選手だ。しかし、現地で最も食べられている麺かと問われると、実際のところは否である。
 ベトナム人に最も親しまれているものは、実は「ブン/Bun」という麺。こちらは米粉の生地を型に入れ「ところてん」のように押し出して作る。刺繍糸程度の細さから、太めのスパゲッティサイズまで様々な種類があり、極細のブンを網のように重ねあわせたものを、「ごはん」代わりに葉野菜に包んで食べるなど、その食べ方も多種多様だ。
 そんなブン料理の中でもおすすめなのが、中部フエ発祥の「ブンボーフエ/Bun Bo Hue」。ピリリと辛みが効いたスープに牛肉、カニ肉団子、豚足などが入り、たっぷりの香草をお好みで入れて食べる。本場のフエ以外でもホーチミン市をはじめ、ベトナム各地で親しまれており、濃厚な旨味と辛みにやみつきになる旅人も多い。また、トマトベースで酸味のあるスープに厚揚げやカニ肉、ものによってはタニシなどを入れた「ブンリエウ/Bun Rieu」も必食の一杯。
 様々に姿を変え、ベトナムの食卓を楽しませてくれる米麺「ブン」。フォーもよいけれど、その次の一杯にぜひトライしてみてほしい。

 

ライター:杉田憲昭(ベトナムスケッチ)
http://www.vietnam-sketch.com

 ベトナムの生活・観光情報を余すところなくお伝えする、ベトナム初現地日本語情報誌。A4サイズにリニューアルし、内容もさらにパワーアップ。ハノイ、ホーチミン市、ダナンなど、ベトナム全土の旬の話題をご提供。

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ラオス Laos

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ラオスの誇り、カオニャオです

 

 まず、料理かどうかの議論が分かれるところでしょう。しかし、旅行者に「滞在中に一番美味しかった料理は?」と尋ねた中で最も多かった答えが、これ。ラオス料理に必ずついてくる主食のもち米なんです。ラオス語ではカオニャオといいます。
 米を三角の竹網かごに入れ、下から蒸気を当てて蒸します。ムラが出ないように時々返し、蒸し上がると竹網の筒に入れて食卓へ。べた付かないので手で掴むのが基本です。一口サイズに掴んだもち米のまん中を指で押し少し窪ませて、そこにオカズを掬うように持ってお口へ。名物温製サラダ「ラープ・ガイ」と合わせると、凝縮された鶏肉の旨み、香ばしく炒った米と野趣溢れる香草が、もち米のほのかな甘さと交わり、思わず、ほっこり。優しいラオス顔になることでしょう。
 ちなみに、ラオス人の中には、もち米を食べられるかどうかが外国人への親近感を持つ基準になるそうで、大人気国産ビール「ビアラオ」の原料にも使用されているというもち米、けして、あなどれませぬぞ。

ライター:森卓(テイストオブラオス)
http://www.yyisland.com/yy/laos/

ラオスで初めての日本語情報誌として2004年に創刊。以来、一人制作を続けているが、毎3ヶ月発行の合間を縫って、イベントやコーディーネートなども節操無く請け負っている。今年は、ラオス観光年です。日本からのチャーター直行便も飛びます。この機会に是非。
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カンボジアCambodia

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たっぷりの生野菜を盛っていただく

元祖カンボジア麺はこれだ!

 

 カンボジアの麺料理といえば「クイティウ」が有名です。朝食時にどこのレストランを覗いても、このフォーに似た汁麺が定番メニューとして並んでいますが、実はクイティウは中国起源の外来麺なのです。では、何が本物のカンボジア麺でしょう?答えは「ヌンバンチョック」。ヌンバンチョックは、米粉を練って寝かしたものを、ところてんのような器具で押し出て茹でた麺で、魚の発酵調味料「プラホック」と雷魚のほぐし身、ココナッツミルク、それにすり潰した数種類の薬味をミックスしたスープをかけ、お好みでバナナの花、十六ささげ、ハスの茎などの生野菜をたっぷり盛っていただきます。独特の魚臭さはありますが、モチモチの麺がココナッツミルクと絡んで、何とも言えない深く、やさしい味わいがします。
 でもこのヌンバンチョック、ツアーの料理で出されることはないし、街のレストランでも見かけません。街角の小さな屋台や市場の軽食コーナーで、ひっそりと売られるのみです。それもそのはず、ヌンバンチョックは主に農村部の朝食や軽食として食べられているからです。
豊かな自然に恵まれた農業国カンボジア。農村で採れる新鮮な野菜や淡水魚を使った料理こそが、郷土料理の真髄なのです。

ライター:矢羽野 晶子(クロマーマガジン)
http://krorma.com/
facebook/ Krorma Magazine

カンボジアはシェムリアップ発、「使って便利、読んで楽しい」がコンセプトの無料季刊誌。アンコール遺跡情報はもちろん、どこに行こう、何食べよう?という時にバックに忍ばせておくと便利なガイドブック。ビジネス向けの総合情報誌「カンボジア情報ガイドブック」も好評発売中です。2012年、ますます熱いカンボジアへぜひいらしてください!

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シンガポール Singapore

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チリクラブ、もう食べたカニ?

 

 もしシンガポールを訪れる機会があるならば、真っ先に食して欲しい。“やみつき”という言葉が、これほどピッタリくる料理はない。それが世界のグルメに愛されるシンガポールの代表料理「チリクラブ」だ。大きなスリランカ蟹が一匹まるごと皿にドーンと盛り付けられ、その上からとろーり熱々の真っ赤なチリソースがたっぷりとかけられた、豪快かつダイナミックな料理。これを見て本能的に心躍らない人は、まずいないだろう。
 しかし、別名ノコギリガザミとも呼ばれるこのカニ、とにかく殻が硬い。クラブクラッカーで大きな爪をバリン!と割り、身をほじくりだして食べる。粘り気のあるソースがよく絡まっているので、当然手はべとべとになる。割れた殻で手を切り流血することもある。辛さも手伝って、一匹食べ終える頃にはへとへとだ。でもそんなことはどうでもいい。とにかく絶品なのだ。
 シンガポールでは、シーフードレストランだけでなく、高級中華料理店からチープなローカル料理が楽しめる街角のホーカー(屋台食堂)まで、たいていどこでも食べられる定番料理。ちなみに、高級店では希望すればスタッフが殻をむいてくれるサービスもあるので、お上品な方もご安心を。

 

ライター:石川敬子(マンゴスティン倶楽部)
http://www.mangosteen.com.sg

シンガポール在住日本人の生活をさらに豊かにする、役に立つ、楽しい情報を提供している月刊の日本語フリーマガジン(1998年創刊)。昨年より、「日本」に興味を持っている高所得者層のシンガポール人を対象にした季刊の英字フリーマガジン(WAttention)も発行。

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インドネシア Indonesia

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見た目で決めつけないで。

 

 手間ひまかけて、バリ人達が愛情たっぷりで作るバリ島のご当地料理『バビグリン』!『バビ』はインドネシア語で豚、『グリン』は回る、という意味。豚丸ごと一匹、お腹にレモングラスをはじめとするバリ島秘伝のスパイスがぎゅうぎゅう詰め込まれ、ターメリック(うこん)のすり潰しを表面に塗り、ぐるぐる回しながら時間をかけて炙り焼く。数時間後、お肉は驚くほどプリプリッとした食感に、皮は香ばしくパリッパリッと焼き上がる。豚肉のジューシーな脂と秘伝のスパイスが絶妙に絡み合い…う~ん、一度食べたら、また食べたい!と繰り返してしまう、クセになる美味しさ。食べるときお皿に白いご飯と一緒に盛りつけ、お肉以外にも、オレット、ウルタンと呼ばれる豚のソーセージ、バリ島の定番家庭料理ラワール(ココナッツの実の和え物)やサテリリット(豚肉のつくね串)、クルップバビなど、バビグリンの人気おかずが、たっぷりとご飯の上にのっけられる。食わず嫌いでまだ食べた事のないあなた、一度食べたけど今イチだった、というあなたも、食べるなら、絶対美味しい店をしっかりリサーチするべし。選ぶお店によって、スパイスの味も、肉のボリュームも驚くほど違う。国民の9割がイスラム教徒であるインドネシアで、島民の9割がヒンドゥー教であるバリ島。豚肉は食のタブーとされるイスラム国家で、これだけ自慢げに美味しい豚料理『バビグリン』を作り上げる、島民の食習慣存在そのものもあっぱれ!!

 

ライター:吉田陽子(アピ・マガジン)
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2002年4月バリ島にて創刊。2009年からクーポン付きマガジンとしてサイズも大きくリニューアル。2ヶ月に1回(奇数月15日)発行。バリ島を中心に、ジャワ島、スラウェシ島、ロンボク島などインドネシア中の観光情報や最新情報を紹介中。地元編集部ならではの土着したインドネシアでの生活術、地域密着情報まで、インドネシア人スタッフと力を合わせ、日々取材に走り回っています。
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インド India

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ラッシーは飲み物だけじゃない!?

 日本の国土の約9倍の広大な国インドの代名詞と言えばカレー!!インドカレーにも、もちろん地域によって特色があり北インドではダヒー(ヨーグルト)やパニール(インドのチーズ)を使った料理が多く、南インドではココナッツミルクや、マスタードオイルを使ったカレーが好まれ、米食も北インドに比べより一般的。ベンガル地方では魚のカレーが多く食され、ゴアではポルトガル統治時代の影響でインドではあまり食べない印象の豚肉の消費が盛んです。
チャイに並び有名なドリンク「ラッシー」も地域により味などが大きく異なり、今回はラジャスターン地方にある「食べるラッシー」をご紹介させて頂きます。
 「食べるチャイ」というからにはストローではなく、もちろんスプーンで食し、見た目は白でなくサフランを入れるため黄色、食感はトロットロッで甘みがあり、かつカルモダンなどのスパイスも入り!そこにレーズンや、ピスタチオ、お店によってはアイスクリームなどもトッピングが出来たりと魅力満載。その秘伝レシピは各家庭毎に異なり、家から家へと伝え続けてられているそうです。ラジャスターン地方はキャメルサファリなど観光スポットとしても魅力的!!
是非このエリアでしかなかなかお目にかかれない魅力を体感しに、インド・ラジャスターンへ遊びに来て下さい!!

ライター:新舎春美(月刊チャロー)
http://gekkanchalo.com/
ツイッター/ twitter.com/gekkanchalo
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www.facebook.com/gekkanchalo2011

インド初の無料月刊情報誌です。進化し続ける国インドの今の情報をお届け。情報だけでなくコラムも充実。ホームページよりダウンロードもいただけるので是非一度ご覧下さい。
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香港 Hong Kong

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ワンタン麺

オープンライスで2011年賞を取った人気の麺屋さん

 天后駅の近くに、香港のグルメサイト「オープンライス」で2011年賞を取った人気の麺屋『華姐清湯  (Sister Wah)』がある。見た目はローカルチックな店ではあるがいつも満席だ。入るとすぐにとてもかわいらしい若い女性が店を案内してくれた。この店の看板娘のバネッサさんだ。日本人だとわかると流暢な英語でメニューなどを説明してくれた。とても親切である。話を聞いてみると、この店は彼女のおばあさんにあたるシスターワーが2004年に創業し、現在は父親と娘、叔父、叔母と親戚一同でこの店を切り盛りしてるとのこと。
 隣のテーブルを見ると牛バラ肉スープ麺を頼んでいる人が多い。それもそのはず、この店は牛バラ肉が有名でミシュランの本で紹介されているぐらいだ。バネッサさんにおすすめを聞くと、牛バラ肉も人気もあるが他のメニューもどれもおいしいと言われた。牛バラ肉がおいしいのはすでにわかりきっているので、ここはあえてほかのメニューにトライしてみることにした。
 香港ヌードルといえばワンタン麺が頭に浮かんだので、それを注文してみた。ワンタン麺のスープはさっぱりしていて、中に入っている野菜もシャッキとして歯ごたえがある。麺は細くワンタンもさっぱりしていてとてもおいしい。広東料理というと油っぽく、味が濃いというイメージが覆されるほどさっぱりしている。シェフのおすすめで鶏肉の酒付が出てきた。これもさっぱりしている。酒が中までしっかりしみ込んでいるのだが、アルコールがそこまで強くなく、とてもいいバランスで食べやすい。

PPW編集部

『ぽけっとページウィークリー』は、香港・広州、深圳をはじめ華南地区に滞在する日本人に日系及びローカル企業、飲食店やビューティーサロンなどのさまざまな情報を発信する無料ウィークリーニュースペーパーです。地元ではPPWとして愛されています。


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