雇用と労働
労働関係に関する法律は、憲法及び労働法(Labor Law: 1997年制定)により定められており、雇用原則として、「男女問わず職業選択の自由」「男女の違いで、賃金格差を設けない」「労働組合の結成、組合員になる権利」「ストライキ権と非暴力的デモ行為」「女性差別の撤廃、搾取の禁止」「妊娠による不利益は発生しない」「社会的支援を得られず生活する女性に機会を与える」などが掲げられている。
主な労働法規程
労働法では労働者の権利、労働条件を規定している。主な規程として「強制労働、義務的労働の完全禁止」「雇用者は会社設立/閉鎖時に、労働主管省に申告する義務がある」「雇用者は作業員の採用・解雇時に労働担当省に申告する義務がある」「8人以上雇用する雇用者は、会社規則を作成しなければならない」「15歳以上でなければ雇用出来ない」などがある。
雇用条件・契約
雇用条件・契約は当事者の合意により契約できる。また契約は書面以外にも、口頭でも可能。期間を規定する場合、正確な終了日を記載し、最長2年を超してはいけない。また2年を超えない場合、複数回にわたっての更新ができる。また雇用者の意思により期限前に終了する場合は、被雇用者は契約終了時までに得られた報酬と同様の金額を請求できる。
無期労働契約は、一方の意思により終了できる。終了を望む当事者は他の当事者に対し、事前に書面通知をしなければならない。事前通知なし、または期間を守らずに、雇用者が契約を破棄した場合は、通知期間において被雇用者が得られた報酬と同様の金額を補償しなければならない。
最低保証賃金、残業と支払い方法
労働担当省の省令に定められた最低保証賃金は製靴、繊維、縫製工場の一般作業員で月額61US$、 出来高払いの作業員は、出来高が最低賃金を上回った場合は出来高給与、下回った場合は最低賃金を支給される。また新しい最低賃金は2010年から2014年まで適用される。ただし現在最低賃金が適用されているのは縫製、繊維、製靴業の被雇用者のみである。
特別な事例を除き、時間外労働(残業)を行なう場合は、通常の50%増しの賃金を支払う。残業が夜間(午後10時から翌朝午前5時までを含む連続する11時間)または週休日にわたる場合は、100%増しとする。また、夜勤(午後10時から午前5時まで)は日勤の130%増しの賃金が支払われる。
また賃金は現金で支払わなければならない。ただし両者が合意の上別途定めた場合はのぞく。作業員の賃金は最長16日間の間隔で、1カ月に2回以上支払わなければならない。また職員の給与については最低1カ月に1回支払う必要がある。
労働時間
男女とも労働時間は1日8時間、または1週間に48時間を超えることが出来ない。
休暇
週休‐週6日以上の労働禁止。休みは24時間以上続けて与えなければならない。
有給休暇‐作業員が勤続1カ月につき1.5日の有給休暇を取得できる。この有給休暇は、勤続3年ごとに1日の割合で増加する。
特別休暇‐被雇用者の直系家族に事故や不幸があった場合は、最長7日間の特別休暇を与えられる。
出産休暇‐女性は90日の出産休暇をとる権利を持つ。また職場復帰後、最初の2カ月間は、軽作業のみに従事させること。出産休暇中は給与の半額が支給される。
労働組合とストライキ
労働法により認められており、労働組合は認められている。また仲裁決定を拒否する場合に、ストライキやロックアウトを行なう権利は保証される。ただし、7労働日前には事前通告を必要とし、企業や団体、労働担当省に提出する必要がある。またストライキは平和的に行なわれなければならない。
外国人従業員
労働担当省発行の労働許可書と雇用カードがないと、外国人従業員は就業できない。またその従業員に対して雇用者は労働許可を事前に得る必要があり、従業員は「合法的にカンボジアに入国していること」「有効なパスポートを保持していること」「居住許可を有すること」「健康で、伝染病を有していないこと」などの条件がある。これらが問題ない場合、労働担当省の許可を得て、厚生省の省令で決定される。
労働許可は1年間有効、申請費50~100US$となり労働担当省にて延長が可能である。
参考資料・情報提供:カンボジア開発評議会
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