土地制度・コンセッション
土地法(1992年制定、2001年改正)には、「国土管理・都市計画・建設省」が、不動産に関する権利書の発行権限と国有不動産の公図管理権限をもっており、法律では「1979年以前の不動産所有権を認めない」「国の公的使用地/私的使用地の占有を認めない」「不動産権利書を持たない者の占有は違法」「占有権権利書は占有の証拠ではあるが、所有権権利書ではない」などが記されている。
カンボジアでは1970年代の内戦で土地制度は崩壊し、土地の権利書や登記簿の多くが紛失した。そのため、今現在も土地所有権を巡る紛争が残っているので、賃貸、購入時契約を結ぶ前には、必ず土地所有権を確認することが必要となる。
所有権
カンボジアでは、自然人/法人に拘わらず、外国人が土地を所有することは禁じられている。ただし、法人会社(カンボジア国籍を持つものが51%以上のシェアホルダーである)での所有は可能である。
また所有権でも、「共有:一つの物全体のうえに数人の者が量的に決定された持分に応じて所有権を持っている状態」「互有:互いに接する土地を所有する者が各自の土地及び土地上の建物を区分する障壁・堀・土手・垣等の囲障を不可分的に共同して所有」なども有るので、その点を考慮する必要がある。
土地の賃貸借
有期賃貸借‐更新可能な短期賃貸借と15年以上の長期賃貸借(不動産に対する権利を持ち、有価対価として用いられ、相続も可能)がある。
賃貸借契約は書面契約が必要となる。また賃借人は物件の維持管理に責任を負い、契約終了時は、契約時の状態で戻す必要がある。
民法では永借権の期間が50年と定められ、その後50年未満の更新を認めている。
抵当権・担保・破産
債務支払いを保証するために、土地所有者は不動産に抵当権や担保を設定できる。その担保は物品、動産、権利や請求権その他の無形の固定資産を含む無形資産、備品でもよい。
「担保取引法(2007年制定)」は「抵当、所有権移転、委託、譲渡を含む全ての取引」「保証販売契約」「1年を超える物品のリース」に適用される。
「破産法(2007年12月施行)」には債務者が破産した場合、債権者がその債務者の持つ財産を請求できることが明記され、「破産手続き開始請求の方法」「裁定」「和解」「債権者集会」「清算方法」などが記されている。
また、破産した場合、その担保に関し「保険料、税金や報酬の支払い等の経費は債務者負担となる」「損耗や損害のリスクは債務者が負う」「担保物から生じる金銭的利益は債務の低減に充て、その他の利益は債権者の物となる」などと定められている。
請求権の消滅と優先請求権
担保請求権の存在を知らない善意の第三者が、代金を支払ってその担保物(有形/無形)を購入した場合、その担保物が得られる。その場合担保請求権は消滅する。
登記
商業省内に担保取引登記事務所があり、担保請求権や先取特権の公的登記が行われている。誰でも自由にその記録を閲覧、コピーが可能である。告示は登記から5年間有効で、それを超した時点で失効となる。
土地委員会
土地委員会は、未登記の土地に関する紛争の解決と法的所有権の確定を目的としている。
土地コンセッション
関連当局の裁量で発行される法的文書により許可される権利であり、許可を受けた個人/法人は土地を占有する権利を持つ。カンボジアでは、「社会的」「経済的」「使用・開発・探査」コンセッションと三分類される。
○ 社会的コンセッション
許可を受けた者は住宅建設や、国有地の耕作が可能
○ 経済的コンセッション
工業や農業開発用に土地を整地が可能
○ 使用・開発・探査コンセッション
鉱業、港湾、空港、工業開発、漁業コンセッションが含まれるが、2001年土地法の対象外となる。2007年制定の「コンセッション法」が2007年10月19日に制定されている。
土地コンセッションは都市計画・建設省に登録され、許可を出した関連当局の発行した許可内容に基づいた土地使用が求められ、適切に利用されていない場合は取り消される。また土地面積は1万Ha以下で契約最長期間は99年間となる。
経済的土地コンセッションに関する法制度
「経済的土地コンセッション(ELC)」に関する政令(2005年12月制定)」。ELCの目的として、「農産業活動の開発」「適切で永続的な土地開発」「農村地区の雇用増加」「大小規模投資の奨励」「政府、州、村落の収入創出」等がある。
参考資料・情報提供:カンボジア開発評議会
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