バイヨン・インフォメーション・センター開館~バイヨン寺院の今に出会う~

12世紀末、アンコール王朝の激動期に建立された、国家寺院バイヨン。アンコール・ワットの勇名に隠れ、アンコール地域の外では無名の寺院であるが、巨大な尊顔を無数にいただくその姿は、一度目にした者の心を捉えて離さない、圧倒的な迫力を持つ。世界にも、そしてカンボジアの歴史にも類を見ないこの寺院は一体何なのか。建造王、ジャヤバルマン7世は何を思い、どんな願いを込めてこの寺院を構想したのか。そして、王にこのような特異な、そしてエネルギッシュな創造をさせたこの時代とは何だったのか。
尊顔の意味は…?回廊に刻まれた当時の人々の暮らしが描かれた理由は…?
バイヨン寺院を見る者の心に次々と湧きあがる疑問。この魅惑的な謎と得体の知れないエネルギーに満ちた寺院に、多くの研究者が挑んできた。薄皮をめくるように少しずつ明らかになるバイヨンの姿。明らかになると同時に、より深まっていく謎。
バイヨンに挑む者の情熱と、バイヨンを訪れる人々の好奇心。この特異な寺院をめぐる長く壮大な物語を一同に集め、2009年8月、バイヨン・インフォメーション・センターがシェムリアップにオープンした。


1994年にアンコール地域の遺跡の修復を開始した、日本国政府アンコール遺跡救済チーム(JASA)は、以来15年に渡ってバイヨン寺院を対象に研究を進めてきた。バイヨン・センターでは、緻密な調査活動によって明らかにされた事実や、そこから導かれるバイヨン寺院の新しい解釈を提示している。と同時に、バイヨン寺院が建造された当時の社会背景を理解するため、クメール王朝の誕生からその衰退までの通史を紹介している。歴史は時に複雑で理解しがたいものであるが、4つの映像と展示内の多くの写真や地図、そして発掘された陶磁器の破片は、目にも楽しく、見る者の理解を助けてくれる。
このセンターでは、現在アンコール地域で行われている各国の修復隊の活動の様子や、修復の基本的な工程の紹介も行っている。訪問客の関心度に合わせて、最短30分から2時間と幅のある楽しみ方ができるもの魅力。日本語スタッフによるガイディングもあり、遺跡観光の前に訪れれば、アンコール遺跡がぐっと身近に、かつ面白くなるはずだ。800年前の遺跡が、今私たちに何を語るのか。その声に耳を傾けてみたい。
吉川 舞 日本国政府アンコール遺跡救済チーム 現地広報

バイヨン・インフォメーション・センター
場所:ユネスコJASAオフィス内 展示ホール <アクセス>アンコール・ワットより車で約10分 開館時間:8:00~16:00 休館日:木曜・日曜・カンボジアの祝日 入場料:外国人 $2 カンボジア人・12歳以下 無料 【 お問い合わせ 】 メールアドレス:info@jst-cambodia.net 電話(カンボジア国内) 092-165-083(日本語) 063-760-224(英語・クメール語) HP:http://www.angkor-jsa.org/bic/index.html 担当:吉川 舞
スケッチトラベルカンボジアでバイヨンインフォメーションセンター訪問

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